阿部定という女 (浅田一博士へ)
坂口安吾
御手紙本日廻送、うれしく拝見致しました。先日色々御教示仰ぎました探偵小説は目下『日本小説』という雑誌へ連載しておりますが、全部まとまりましたら、御送付致すつもりでおります。
4 min
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坂口安吾
御手紙本日廻送、うれしく拝見致しました。先日色々御教示仰ぎました探偵小説は目下『日本小説』という雑誌へ連載しておりますが、全部まとまりましたら、御送付致すつもりでおります。
4 min
梶井基次郎
一顆の檸檬を買い来て、そを玩ぶ男あり、電車の中にはマントの上に、道行く時は手拭の間に、そを見そを嗅げば、嬉しさ心に充つ、悲しくも友に離りてひとり唯独り我が立つは丸善の洋書棚の前、セザンヌはなく、レンブラントはもち去られ、マチス心をよろこばさ
1 min
島崎藤村
過日、わたしはもののはじに、ことしの夏のことを書き添えるつもりで、思わずいろいろなことを書き、親戚から送って貰った桃の葉で僅かに汗疹を凌いだこと、遅くまで戸も閉められない眠りがたい夜の多かったこと、覚えて置こうと思うこともかなり多いと書いて見た。
5 min
中島敦
南洋群島の土人の間で仕事をしていた間は、内地の新聞も雑誌も一切目にしなかった。
5 min
若山牧水
嶮しい崖下の渓間に、宿屋が四軒、蕎麦屋が二軒、煎餅や絵葉書などを売る小店が一軒、都合唯だ七軒の家が一握りの狭い処に建って、そして郵便局所在地から八里の登りでその配達は往復二日がかり、乗鞍岳の北麓に当り、海抜四五千尺(?
8 min
国木田独歩
今度の戦で想い出した、多分太沽沖にあるわが軍艦内にも同じような事があるだろうと思うからお話しすると、横須賀なるある海軍中佐の語るには、わが艦隊が明治二十七年の天長節を祝したのは、あたかも陸兵の華園口上陸を保護するため、ベカ島の陰に集合していた時である。
7 min
与謝野晶子
燦然と千古に光る東洋文学の巨篇源氏物語の価値は今さら説く必要もない。
6 min
国木田独歩
この度は貞夫に結構なる御品御贈り下されありがたく存じ候、お約束の写真ようよう昨日でき上がり候間二枚さし上げ申し候、内一枚は上田の姉に御届け下されたく候、ご覧のごとくますます肥え太りてもはや祖父様のお手には荷が少々勝ち過ぎるように相成り候、さ
6 min
島崎藤村
「比佐さんも好いけれど、アスが太過ぎる……」仙台名影町の吉田屋という旅人宿兼下宿の奥二階で、そこからある学校へ通っている年の若い教師の客をつかまえて、頬辺の紅い宿の娘がそんなことを言って笑った。
3 min
小川未明
私は母の愛というものに就いて考える。カーライルの、母の愛ほど尊いものはないと云っているが、私も母の愛ほど尊いものはないと思う。
6 min
寺田寅彦
十二月始めのある日、珍しくよく晴れて、そして風のちっともない午前に、私は病床から這い出して縁側で日向ぼっこをしていた。
9 min
芥川竜之介
自分は菊池寛と一しょにいて、気づまりを感じた事は一度もない。
3 min
寺田寅彦
真夏の正午前の太陽に照りつけられた関東平野の上には、異常の熱量と湿気とを吸込んだ重苦しい空気が甕の底のおりのように層積している。
9 min
芥川竜之介
或木曜日の晩、漱石先生の処へ遊びに行っていたら、何かの拍子に赤木桁平が頻に蛇笏を褒めはじめた。
4 min
坂口安吾
近年、新興芸術の名に於て幾多の文芸運動が試みられてきたが、徒らに皮相の新奇を追うほかに為すところを知らなかった。
9 min
夏目漱石
大抵のイズムとか主義とかいうものは無数の事実を几帳面な男が束にして頭の抽出へ入れやすいように拵えてくれたものである。
4 min
有島武郎
八月十七日私は自分の農場の小作人に集会所に集まってもらい、左の告別の言葉を述べた。
9 min
夏目漱石
私は朝日新聞に出るあなたの描いた漫画に多大な興味を有っている一人であります。
4 min
有島武郎
私には口はばったい云い分かも知れませんが聖書と云う外はありません。
2 min
芥川竜之介
去年の春の夜、――と云ってもまだ風の寒い、月の冴えた夜の九時ごろ、保吉は三人の友だちと、魚河岸の往来を歩いていた。
5 min
寺田寅彦
天の河が無数の星の集合したものだという事は今日では誰も知っているが、何故にあのような帯状をなして密集しているかという事はちょっと分らぬ疑問である。
2 min
夏目漱石
私は貴方から送って下さった校正刷五百八十頁を今日漸く読み了りました。
9 min
Every character in these books has a stroke order you can practise, and every pattern you meet here is one you can write yourself. Writing practice →
A work is imported only when its copyright has expired for both the text and its author. Every book page names the printed edition it was set from and the people who prepared it. Sources and licences →