ある幻想曲の序
寺田寅彦
何もない空虚の闇の中に、急に小さな焔が燃え上がる。
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寺田寅彦
何もない空虚の闇の中に、急に小さな焔が燃え上がる。
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寺田寅彦
数年前に「ボーヤ」と名づけた白毛の雄猫が病死してから以来しばらくわが家の縁側に猫というものの姿を見ない月日が流れた。
5 min
寺田寅彦
蒲団を引っかぶって固く目を閉じると何も見えぬ。
1 min
寺田寅彦
どこかへ旅行がしてみたくなる。しかし別にどこというきまったあてがない。
22 min
寺田寅彦
チャイコフスキーの「秋の歌」という小曲がある。
2 min
寺田寅彦
十二月始めのある日、珍しくよく晴れて、そして風のちっともない午前に、私は病床から這い出して縁側で日向ぼっこをしていた。
9 min
寺田寅彦
真夏の正午前の太陽に照りつけられた関東平野の上には、異常の熱量と湿気とを吸込んだ重苦しい空気が甕の底のおりのように層積している。
9 min
寺田寅彦
去年の夏信州沓掛駅に近い湯川の上流に沿うた谷あいの星野温泉に前後二回合わせて二週間ばかりを全く日常生活の煩いから免れて閑静に暮らしたのが、健康にも精神にも目に見えてよい効果があったように思われるので、ことしの夏も奮発して出かけて行った。
13 min
寺田寅彦
天の河が無数の星の集合したものだという事は今日では誰も知っているが、何故にあのような帯状をなして密集しているかという事はちょっと分らぬ疑問である。
2 min
寺田寅彦
山好きの友人から上高地行を勧められる度に、自動車が通じるようになったら行くつもりだといって遁げていた。
11 min
寺田寅彦
始めてこの浜へ来たのは春も山吹の花が垣根に散る夕であった。
11 min
寺田寅彦
この間日本へ立寄ったバートランド・ラッセルが、「今世界中で一番えらい人間はアインシュタインとレニンだ」というような意味の事を誰かに話したそうである。
31 min
寺田寅彦
近頃パリに居る知人から、アレキサンダー・モスコフスキー著『アインシュタイン』という書物を送ってくれた。
22 min
寺田寅彦
上野の近くに人を尋ねたついでに、帝国美術院の展覧会を見に行った。
12 min
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