Nihoner

有島武郎 Takeo Arishima 1878.03.04〜1923.06.09

星座

せいざ

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そのけがたまでなるらしくえたさわやかとなっいた

ない仰向あおむいるかったそうしたままで清逸せいいちだけ腰高こしだかすこふり向けみたひきあけいつものとおりたてこんられままかわやったそのがえ模様もよう見ようとしがそままになっいる三尺さんじゃくほどだけ障子そうじ黄色くっていたそれ部屋へやよけい小暗く感じさせ

とな部屋へや開け放っ戸外こがいうにあかるいだろうそうなけれ西山にしやまあんな騒々しいてるずがない早起はやお西山にしやま朝寝あさねとうとうおこしまったらしい二人ふたりあわ学校がっこう支度したくをしいるらしいだけ悠々ゆうゆうゆうべ議論ぎろん続きらしいこと饒舌しゃべっているやがて

おいそのばかこっちくれ

いう西山にしやまことさら際立っ聞こえきたはかすかに微笑ほほえ

ゆうべいているぼろばかまつけほど意味いみものないいている白痴はくちっているのとおんなから自分じぶんものないようがするないばかだと西山にしやまいった思いだしのだ

ドアけたたましく開いたとおもドアノックされ

星野ほしの今日はどうまだ起きられんのか

そう廊下ろうかから必要ひつようおおきな立て西山にしやまだっこえる聞こえいもかまわ障子そうじ見守っままうんえただけだっからあるらしい気分きぶんどうして引き立たかったそのよくかんがみねならぬことがかった

けれど西山にしやまたち足音あしおと玄関げんかん遠ざかろうとするあさ足らなさえたそれ奇怪きっかいさえわれることだっ自分じぶんいるうにその足らない気分きぶんためさきほどからあかるい障子そうじ羽根ばね休めいるはえ強く視線しせん集めようしたその瞬間しゅんかんにしかし西山にしやま呼びとめなけれならない用事ようじ思いついそれ西山にしやま呼びとめなけれならないほど用事ようじであっのだろうかとにかくおおきな西山にしやま呼んでしまった自分じぶんのどから老人ろうじんうにしわがれうつ放たれる苦々にがにがしくいた

さあまだいたかな

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星野ほしのはいたからそういっておいた

その玄関げんかんからばれ傍若無人ぼうじゃくぶじんわらがしたとおも野心やしん西山にしやま空想くうそうもつれあっもう往来おうらいいるらしかった

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やはりおぬいさんたの一番いちばんいいだめ西山にしやま悪くはないがあのがさつおぬいさんふさわしくないそればかりなく西山にしやま剽軽ひょうきんなようで油断ゆだんならないところあるあのはこうおもいこむ事情じじょう顧みいで実行じっこううつたちから放漫ほうまんわれながらいざとなると大掴おうずかながら急所きゅうしょおさえることっているおぬいさんどんな動かしいくかもしれない。……

素早く居所きょしょえた

おぬいさんようするわけないおぬいさんたびたび与えおぬいさん異性いせいあたえることなど知らないそれだから平気へいきたびたび与えのだおぬいさんすこ上気じょうきした皮膚ひふちゅうから大きくつやつやしく輝いあるはにかかんながらから離れようしないから信頼しんらい信じくださいとそっているおぬいさん裏切うらぎりっているおぬいさんなん知らないのだ

がまいたかる……

おぬいさんのそいうところ気づかせるとってないことそれまではかなり誘惑ゆうわくだっ。……

そこまでかんがくる障子そうじもなくなっていた空想くうそう魔杖まじょう真白まっしろ百合ゆりようおおきなみるみるつぼみ弱々しから日輪にちりんうにかがやかしく開いかおだかしべ埋めみたようようくすぐよう悲しくさせるようなそかお、……そのからまだかっただかかお……しばらく自分じぶんその空想くうそうおぼさせていたが心臓しんぞう鼓動こどうたかまるかんずるやいなやてるうに空想くうそうからそ遠ざけ

その位置いち移し

ある未練みれんのこつつその万花鏡まんげきょうよう跡形あとかたなく消え

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くだらないことくよくよかんがたと思っそしてどおり障子そうじとまっているすべて注意ちゅうい向けようした

しかも……十二分じゅうにぶん自信じしんをもっつかべき機会きかい……まで興味きょうみ学校がっこう課業かぎょうぐらさびしい苦悶くもんただ清浄無垢せいじょうむくいた処女しょじょこそぎってあたえるいうことは……といってかす未練みれんじたそして未練みれんいうものかすであっ堪えがたいほどにが……。ふとこの終っミゼラブル思いだしいたジャンジャンコーセットマリヤス与え心持こころもち

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Where this text comes from

This work is in the public domain — its copyright has expired. The digital text was produced by volunteers at Aozora Bunko (青空文庫), Japan's free digital library, from the printed edition named below.

First published
1922(大正11)年5月
Source edition (底本)
底本:「日本文学全集25 有島武郎集」集英社


   1968(昭和43)年4月12日発行

※底本の誤記と思われる部分は、角川文庫「星座」と筑摩書房「有島武郎全集 第5巻」中の「星座」を元に修正した。

入力:大野晋

校正:地田尚

2000年5月15日公開

2005年11月21日修正

青空文庫作成ファイル:

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Typed by (入力)
大野晋
Proofread by (校正)
地田尚

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